お手軽表装

工程を見直し、素材を工夫することによってお手軽な価格を実現したお仕立てです。寸法は本格表装に近づけてあり、紬表装・新表装は端(みみ)折り・総裏もしてあります。

紬(つむぎ)表装

紬風の無地を使った表装で、当店で一番ご利用の多いお仕立てです。

色は5色より選べます

紐は釘止めです

新表装

掛軸用の緞子使用ながら、上巻、中裏などを省略することによってお手軽な価格を実現した表装です。 掛軸用の化繊の緞子は、無地・柄物など、たくさんの色柄がございます。

紐は「江戸かん」という、掛軸専用の金具を使用 [PDF]凌雲堂軸装等料金表

紬・新表装共通仕様

総裏・端折り

上巻:なし

軸先:新牙(樹脂)

箱はご予算に応じて

かぶせの紙箱
紙筒

よりお選びいただけます。

[PDF]凌雲堂軸装等料金表

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本格表装

凌雲堂の本格表装の料金は、形式(下記参照)、作品幅(半切幅まで・聯落幅まで・全紙幅まで)、使用材料(化繊緞子・貴船緞子)の組み合わせと、いくつかの追加加工(一文字廻し・下げ風帯など)で決めさせていただいており、シンプルなものです。詳しくは料金表をご参照下さい。

丸表装

もっとも基本的な形式で、書にも絵画にも、どの題材でも無難にまとまります。

三段表装・茶掛け

天地部分に切り替えがある、書院とともに発明され発達した我が国独自の形式。重厚な雰囲気にしたい作品やかな作品などに。中国風の作品などには使われません。

デザイン表装

一文字に中廻しと共布を使用したり、切替を斜めに入れたりと、作品を引き立てるため、形式にとらわれず独自の工夫をした掛軸。

佛表装

天と地を柱でつなげ、本紙(作品)まわりを取り囲むようにした形式。つながった天地を総縁(そうべり)、その内側の中廻しに相当する部分を中縁(ちゅうべり)と呼び、一般的に総縁は紺地の金襴、中縁は赤地の金襴が使われます。仏画やご集印帳など、仏様にかかわる題材のものに。

佛風(ぶつふう)表装

普段掛けに紺地や赤地の金襴は派手すぎる、でも、せっかく回って集めたご集印帖などはずっと掛けておきたい、と感じられる方のために、形式のみを借り、通常の表装用生地を使用したものを、凌雲堂では「佛風(当店独自の名称)」と呼んでいます。

巻子(かんす:巻物)

巻子の製作もお請けしております。巻子は保存を主な目的としたものですので、掛軸とは形式や作りが若干異なります。

[PDF]凌雲堂軸装等料金表

本格表装共通仕様

上巻:化繊緞子使用の場合は紙、貴船緞子・綿パー使用のものは布となります。

軸先:黒檀、焼き物、高級樹脂など 佛表装は金属

かぶせの紙箱が標準です。桐箱もご用意できます。

三段表装・茶掛の風帯は筋(すじ)風帯を標準とさせていただいております。

垂(さ)げ風帯は、決まった方法で折り畳む必要があるのですが、知らずに軸と一緒に巻いてしまう方も多いです。風帯の巻癖は下げておけば取れるというものではないので、初心の方が扱う可能性のある場合は、この形式がおすすめです。

垂げ風帯は追加加工となり、別料金となります。

筋風帯は略式ですので、お茶席など正式な場所で使う軸は、垂げ風帯とすべきでしょう。

絵画作品など、表装を単純化して作品を引き立てるため、風帯を省く場合もあります。料金は割引させていただきます。

[PDF]凌雲堂軸装等料金表

「沈め」とは

図のように、隙間をあけて3枚の材料を貼り合わせ、細い線を表現する技法で「筋(すじ)」とも呼ばれます。材料の厚みによる影のため、重ね順を考慮しないと、左右で線の太さが違って見えてしまう場合もあり、このような手間を掛けます。

素材が布の場合、切り口にほつれ止めが必要なため、手間がかかりますが、熱圧着による作業の場合、糊の乾燥時間を気にせず作業できるため、在来の工法に比べ細かい表現がやりやすいです。一文字廻しや筋風帯などのほか、デザイン表具など、いろいろな応用があります。

三段表装と茶掛け

三段表装を「茶掛け」と呼ぶひとがありますが狭義では誤りでしょう。茶掛けとは、狭義では三段表装の中廻しの柱(作品左右の布地)の部分を極端に狭くした形式のことで、華美なものを慎む、と言う考えを形式で表現したものと思われます。広義では作品の題材が茶席に向くものであれば形式は問わないとする人もあります。

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和額

和額の制作も承っております。

欄間など高いところに掛ける額(扁額)は、隅丸(すみまる)額、前丸(まえまる)額などの、軽く仕立てるため、杉で組んだ骨に紙で下張りをしたものを使います。

お手持ちの額への作品の貼り込み、マットの張り替えなども承っております。詳しくはこちらをご覧下さい。

隅丸額

半製品を利用したカド丸の額です。縁の色は艶消し黒、半艶の木地色(玉桑、オークなど)です。

材料店よりこのような状態で当店に入ります

前丸額

カシュー(漆性)塗装の表具用額縁を使用した額装です。色はツヤありの黒と・茶のみです。カドは角のみです。 隅丸額や既製の書道額は半切や半切1/2などの「書道サイズ」が基本で、別寸は5〜10割増となりますが、前丸額は当店で骨も縁も組むため別寸の割増はありません。

隅丸額・前丸額とも、需要の減少により、材料の調達に時間が掛かり、お急ぎの場合、対応できないこともありますのでご了承下さい。

既製書道額

既製品の書道額もお取り寄せいたします。

書道用品店などから単品で調達いたしますので、当店に納入される価格は一般の方と同じになってしまいますため、価格は割高となってしまいます。 [PDF]凌雲堂額装・屏風料金表

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屏風・風炉先

屏風、風炉先の製作も致します。紙で丁番を作る本格的なものです。金属などの丁番は、2枚の骨を180°までしか開くことができませんが、紙の丁番は360°開くことができます。

複数枚にわたる大きな作品の場合、額を金属でつなげたような略式のものでは間に縁が入ってしまいますが、紙丁番なら連続した作品として構成することができます。

[PDF]凌雲堂額装・屏風料金表

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裏打ち・副林・その他

裏打ち

裏打ちとは、墨が縮んだ事によってできるしわをのばし、裏に紙を張る、すべての表具の基本となる加工のことです。

お預かりした拓本

石碑の彫りが深かったとのことで、しわだけでなく、破れもかなりの箇所ある。

裏打ち後

破れ部分の若干の位置調整と、霧吹き〜プレスを数回繰り返したのみ。当店なら追加料金なしでここまで仕上がる。

軽く霧を吹き、100℃の熱でプレスすることによりしわをのばします。そのため、水分や熱で変質する画材でかかれたもの、あるいは洋紙のものをお請けすることはできません。

用紙は、書道額のマットの透け止めを目的とした、画用紙程度の厚さの「鳥の子」と、掛軸用の薄い「美濃」があります。指定のない場合は「鳥の子」を使用します。価格は同じです。 [PDF]凌雲堂裏打ち料金表

幅林

幅林(ふくりん)とは、作品の縁に縁取りをする加工のことで、下付けとくるみの2通りがあります。ベージュやグレーなど、薄い色のマットの上に白や生成色の紙の作品を乗せる場合、幅林により作品が引き立ちます。

幅は
・1.5mm(5厘)
・2.0mm(7厘)
・3.0mm(1分)
の3種類です。

下付け
くるみ

当店では千代紙を使った幅林をご提案しています。単色で極細い線の幅林もピシッとして格好良いですが、額のマットと色の相性があわないこともあります。千代紙の場合、いろいろな色が使ってありますので、無難にまとまる可能性が高くなります。また、千代紙の模様は、基本的に金で輪郭を描きますので、その金のおかげで背景との色馴染みが良くなる効果も期待できます。是非、当店の在庫でお確かめの上、ご検討下さい。

[PDF]凌雲堂裏打ち料金表

額入れ

お持ち込みの額への作品の貼り込みも致します。展覧会用の、両面テープで数カ所止める仮止めと、恒常展示用の糊を使った貼り込みがあります。仮止めは裏打ちと同価格、糊使用は5割増、縁なしの額(パネル張りなど)は縁周りの処理をする必要があり、倍額となります。

仮止めの場合、アクリルで押さえきれない部分は、若干浮きが見える場合があります。また、アクリルのない額では作品が押さえられないため、この加工は不向きです。

糊を使った貼り込みの場合、作品やマットを汚損せずに剥がすことはできません。 [PDF]凌雲堂裏打ち料金表

ボード加工

3mm以下の薄いベニヤに鳥の子紙を貼り、その上に作品を直貼りする当店独自の加工です。直貼りされた作品は剥がすことはできません。

凌雲堂のある越谷市では、市展の書道の出品要項に、額のアクリルは使用してはいけない、と言う項目があり、当店で裏打ちだけさせていただき、お客様自身で額に入れる、と言うことができませんでした。その場合、業者に依頼し、糊で貼り込むことになるのですが、糊での貼り込みは簡単剥がすことができず、次回使用する場合はマットの張り替えが必要になってしまっていました。

そこで凌雲堂では、この加工を考案し、アクリルとこの加工を入れ替えることによって、お客様自身で市展の出品ができるよう工夫いたしました。

ボードは簡単にアクリルに戻すことができますので、別の作品のために同じ額をすぐ使うことができます。

展覧会ごとに頻繁に作品を入れ替える、いわゆる書道額は、無地のベージュやグレーなど、無難な色柄を選択せざるを得ませんでしたが、この加工を利用すれば、作品のイメージにあった色柄を選択することができます。

[PDF]凌雲堂裏打ち料金表

曲線切り

軸装、額装を含むすべての加工において、扇面などの曲線切りは、特殊な定規や高度な技術を必要としますので追加加工となり、料金が発生します。

[PDF]凌雲堂裏打ち料金表

剥がし

古い掛軸や額を新しく仕立て直すことが可能です。その際、作品が書かれた紙1枚だけにする「剥がし」の加工が必要です。

水を使い、糊をゆるめて裏打ちを剥がし、作品だけにします。長期間掛けっぱなしだった、など、保存状態の悪い作品は膠分が緩んで滲んだり流れたりする場合があります。そのような作品は画像処理による修復をご検討下さい。

熱圧着で制作されたものも剥がすことも可能です。油性の薬剤により、雅印が滲みます。また、油分により紙色が変化します(透け感が強くなる)。薬品を使わず、裏打ち1枚だけ残して物理的にむしり取る方法を使う場合もあります。 [PDF]凌雲堂裏打ち料金表

洗い

汚れた作品をきれいにすることもできます。水や薬品の効きを良くするため、作品だけにする「剥がし」は必須です。

水溶性の汚れの場合、剥がしの際に多少きれいになる場合があります。 作品の汚損が心配な場合は、洗わずに再表具する事もご検討下さい。作品がきれいにならなくても、まわりが新しくなるだけで見栄えも違ってきます。作品を保持したままきれいな状態も見てみたい、と言う場合は、画像処理による修復をご検討下さい。

基本は水洗いです。養生紙ではさんで洗い桶になでつけ、水を刷毛で引いては吸水シートで水分を吸収する、と言う作業を繰り返します。当店では水に浸すようなことは致しません。あまり繰り返すと、墨や画材の膠分が緩んで滲んだり流れたりするので、どこで妥協するかが難しい点です。

薬品を使う場合もあります。当店では塩素系の漂白剤を使用し、処理後アルカリの薬剤で中和しております。塩素系の漂白剤は、薄ければ効かず、ある濃度を超えると急に効き、コントロールができません。紙の生成まで白くなりすぎる場合もありますので、納得の上でご依頼下さい。また、墨作品は問題ありませんが、酸化剤ですので、画材によっては変色の可能性があります。 [PDF]凌雲堂裏打ち料金表

そのほか

凌雲堂ではお客様の「このようなことは可能か?」に、最大限対応してまいりたいと考えております。お客様のふと思いついた発想が、当店の紙や布を切断し、糊や熱圧着のフィルムで貼り合わせる技術が役に立つようであれば、喜んで協力させていただきます。

ぜひ、ご遠慮なくご相談下さい。

>>お問い合わせはこちらから

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